ほしのすみかにかえるとき☆彡☆彡

☆彡自分に戻っていくまでの軌跡☆彡

お父さんと私 ① がんが見つかった日

父にステージ4のがんが見つかり、余命宣告を受けた1年半後、この世を去りました。父が病気になって、私の心は大きく揺さぶられました。その時のこと、父を失って悲しみの中にいた時期から、乗り越えた今までをシリーズでお伝えします。(最終的にハッピーエンドです!)

 

 

大切な人の病気や死を経験してみて、一番お伝えしたいのは、荒波のように不安や悲しみにのまれた時期から、だんだんと受容、感謝の次期へと移行して、また自分自信に戻ってくるということ、それらの感情はあるべき時に起きている、ということです。この期間の長さや変容の仕方は人それぞれだろうけれど、ひとつの事例として、誰かのお役に立てば幸いです。

過去の自分が残してくれた日記の記録が、良い形で誰かに届くことを願って・・・(日記は、何か自分の内側にいる自分に宛てて書いているようなものが多いです。)

 

良かったら、御覧ください。

 

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父が病院で検査を受けたことを知った。

母がメールで驚かないように、やわらかい表現で報告してくれたが、父がひどい状態であることは、分かってしまった。

私は気を失いそうだった。「がん」という病気なんて、映画の中だけのことかと思っていた。

けれど、この半年、ひどく疲れた様子の父を知っていたし、なぜか父はもうそばにいてくれない気がして泣いた日があり、私は、虫のしらせのようなものを半年前にもらっていたのかもしれない。

 

母とがんセンターに検査結果を聞きにいった。直腸から肝臓に転移している。ステージ4。同じ症状の人が100人いたとしたら、100人中50人は2年生き、残り50人はもっと生きる、という説明を受けた。生存確率のことだろう。

 

私は、気を失いそうなところから一転して、自分にできることを探し始めた。人とは強いものだ。とんでもなく不安になると、そのエネルギーを良い方向に変えようと自然に変容していくようだ。

 

がんが消えたと言われるものを、たくさん試した。にんじんジュースだったり、薬草茶だったり、びわの種の粉末だったり、自然療法だったり。医学の知識が全くない私は、手探りでやれることをやった。

 

余命宣告を受けた時の日記に、自分の心情がしっかり書かれていた。

 

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日記から

 

お父さん

 

まださよならは言えないの

 

どうしても涙は止まらなくて

 

息が苦しくなってしまうの

 

お父さん、あなたを失うのが怖いです

 

私の子をおじいちゃんに会わせたいの

 

だいじょうぶ だいじょうぶと 手を握ってあげたいの

 

どうかどうか

 

まだ行かないで

 

それが数年後だとしても

 

どうか今しばらく

 

私に親孝行させてほしいの

 

まだ行かないで

 

それが数年後だとしても

 

どうか今しばらく

 

私に親孝行させてほしいの

 

あなた(がんのこと)ごと愛するから私はあなたごと父を愛するから

 

どうか静まって。静かに父の中から

 

良いものに変わってください

 

お願いします

 

毎日お祈りします

 

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お父さんの病室に行きました。

病院は私のアパートからとても近い場所にあります。お父さんに会いに行けるようにしてくれたのかもしれません。

 

検査は、血液検査がとても悪かったということで、点滴や酸素マスクで足りないものを補っています。

 

不安の大きな波にのまれて、涙が止まらないこともあるけれど、穏やかに、「今ここ」にいて、「すべてのこと、自分の手ではどうにもできないことを大いなるものに委ねる」ことのできる日もあることを知りました。

 

私が心の病気で休息した1年は、心から親に感謝することができた、貴重な1年でした。

お休みしたからこそ、家族全員で旅行に行くことができました。

 

そして今、今日もまた、お父さんに会って、話をして、一緒にご飯を食べて、テレビを見ることができました。

 

仕事のお手伝いもできました。雑用のような仕事ですけど、論文作りを手伝えたのです。

 

大きな不安が来た時は、それをうんと感じて。

 

「今、ここ」に戻っておいで

 

人の手では動かせないものは無理に動かそうとせず身を委ねて、できることと懸命に向き合って

どんなことも全ては学びのために起きているのだから。

 

だいじょうぶだいじょうぶ。人が言ったリミットなんて気にしないで。

ただ、今、ここを大切にする人になる。お父さんの生きている、今、ここを大切にする。

それが今の私の学び。

 

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お父さんと私②に続く

sumika