ほしのすみかにかえるとき☆彡☆彡

☆彡自分に戻っていくまでの軌跡☆彡

🎥マンスリー映画館✨ Ⅼittle DJ 小さな恋の物語 レビュー✨

この映画から私が受け取ったのは、「魂で生きるとはこういうこと」と、いうことです。

※ネタバレっぽくしたくなかったけどネタバレっぽいです。ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

入院先の病院で、院長先生から、「最高の治療薬」として院内のラジオDJ任され、ラジオDJとなった少年、太郎の物語。

主人公太郎は、舞台となる1977年代にはまだ難病で、亡くなる人も多かった病気にかかっていました。

ぶっちゃけ私の父が病気で亡くなってから、難病ものの映画やドラマは拒否してました。でもなんかこの映画は、病気がメインではない気がなんとなくして、借りてみたんですね。

で、その勘は当たっていました。

太郎は劇中、ほとんど入院生活なんですけど、「なんで病気になっちゃったんだ」とか、「死ぬのが怖い」とか、そういう、なんていうか病気を扱う映画でよくある描写がほとんどなかったです。太郎は両親からも担当医からも自分の病気について、教えてはもらっていませんでした。しかし、自分の病気について、既に早い段階で知っていたということがわかる描写がありましたから、いつか治るだろ~なんて楽観的に思っていたわけではないと思いますが、病についての感情的な描写は非常に少なく、淡々としていました。

人が病気で亡くなることを目の当たりにした時も、とてもまっすぐな目で、その死を見つめ、その人に届くようにとラジオから音楽を流していました。そこに重たい感情がないのが、私にはとても良かったのです。太郎は、病気を受け入れていたように思います。もうわずかな命と受け入れた上で、心の底から沸き上がることに忠実に生きたように感じました。

そう。この映画は、命の大切さとか、病とどう向き合うかとか、そういうことにテーマがなかった、と私は感じます。(あくまで私は)。そんでもって副題が「小さな恋の物語」なので、切ない恋愛まのなのかとも思うのですが、やっぱりこれもサブテーマな気がするんですね。

それよりも強烈なメッセージとして感じたのは、「魂で生きるとはこういうこと。」でした。

元気だった頃、「野球少年」だった太郎の姿は、「父親の期待に応える」ものでした。けれど彼を本当に夢中にさせていたのは、野球の「ラジオ中継(言葉や音によるもの)」であり、その先にあったのは「深夜のラジオ番組」だったのです。

入院した太郎の姿は、元気とは言えないけれど、「本当の自分に応える」ものでした。本当に夢中で大好きだった、「ラジオ」から、「ラジオDJ」という自分に出会い、ラジオを通して繋がっていく人々との交流に使命を感じているようでした。生まれかわってもラジオDJをやる、と言うくらい、彼にとってかけがえのないもので、これをやると決めて生まれてきたのではないかと思います。だからこそ、入院したことにも、病気になったことにも、彼は早い段階で感謝をしているように感じました。病気にならなければ、本来の自分(ラジオDJ)に出会うことはできなかったのかもしれませんから。

病状が悪化し、寝たきりになったとき、彼は一度も、身体が動かなくなっていくことへの恐怖、死への恐怖を語りませんでした。ただ、「僕の放送を聞きたいって人がいるのに、何もしないで死んじゃうのは嫌だ。話したいことがいっぱいあるんだ。今じゃなきゃダメなんだよ。それが今僕が生きてるってことなんだ」そう強く訴えました。この魂からの叫びに、先生、両親が動き、最後のラジオ放送が実現します。

きっと、彼の魂は

ラジオDJとして人々に元気や癒しを送ること、そのような交流をすること

ラジオを再開して、感謝の気持ちを家族、病院の先生、病院内のラジオリスナーたちに伝えること

お父さんに素直に、ありがとうと言うこと

恋をした少女と街にくりだすこと

恋をした少女に大好きだと思いを伝えること

少女のリクエスト曲を、ラジオで流すこと

これをやりきって(あるいは必要な手筈を整えて必ず実現すると確信し)、満足して、天にかえっていったのでしょう。若くして亡くなったことへの悲しさや未練のようなものが、微塵も感じませんでした。

限りある命であることを受け入れ、やるべきことをやった、そんなふうに感じました。

 

人は、本来の自分に出会ったとき、本当に強くなるのかもしれません。

人に心から感謝できるのかもしれません。

人を心から思いやり、救えるのかもしれません。

ラジオDJのネタ帳を熱心に書く太郎を見て、胸が熱くなったのは、こんなふうに、夢中になれるものの中に、自分をおいて生きていきたいと思っているからでしょう。

神木隆之介君が、本当にまっすぐで、繊細で、自分に素直である太郎を、綺麗な瞳と素敵な声で演じてくれていました。太郎役の神木君は四六時中、天使でしかなかった(私には後光がさしているように見えました)、、、もう病院全体を癒す天使だった、、、まじで天使すぎた、、

少女役の福田真由美さんの太陽のような笑顔

他の役者様達も本当に良かったです(偉そうですが、本当に良かったんですすみません)

この映画が現実味があるかどうかなど、私にとってどうでもよいことでした。見る視点て大切ですね。

まだ見たことない方も、一度見た方も、良かったら、「魂で生きるとは」という視点で、ご覧になってみてください😊✨